企業が利益を稼ぐ効率性を調べる指標!「総資産回転率」とは?


総資産の回転効率を調べる指標とは

会社の事業に投資した資産がどれだけ効率的に利用されているかを判断する指標のご紹介です。

マネックス証券

1年間の企業の売上額に対して、会社の持つ全ての資産を何回転させて生み出せているかを「総資産の回転数」で調べて会社の経営効率を判断します。

これらは代表的なものに「総資産回転率」「総資産回転日数」「総資産回転月数」の3つがあります

同じ売上高の企業同士でも総資産は小さいけれどもそれを有効活用して利益を稼ぎ出している会社の方が優秀と評価されるからです。

①総資産回転率

総資産回転率(回)=売上高÷総資産

 

総資産回転率は上記したように、売上高が総資産の何倍あるか調べることによって、会社がどれだけ効率的な経営が出来ているか判断する指標です。

計算してされた数字は、1年間で回転した総資産の回数です。この数値が高いほど会社の資産が有効活用されていて、効率的な経営がされていることが判断できる。同じ売上高の企業同士でも総資産は小さいけれどもそれを有効活用して売上を稼ぎ出している会社の方が優秀と評価されます。

 

A社とB社の例を使って計算してみましょう。

A社は、100万円総資産で年間500万円の売上があります。

B社は、300万円の総資産で800万円の売上があります。

↓それぞれの会社の総資産回転率を計算すると。

A社 5回転

B社 約2.6回転

 

資産規模はB社の方が大きいですが、売上規模に関してはA社の方が効率が良い経営が出来ているので優秀な企業と判断することが出来ます。

このケースで単純に考えた場合、A社が銀行などから出資を受けてB社と同じ資産規模になった場合、1500万円の売上になるという計算になります。

 

※指標にて実際に企業を分析する時は、業種や企業規模を考慮して近い企業間で比較することが大切です。企業の規模によって共通の良い所、悪い所というものがあります。同じ業種ならば規模の大きな企業よりも小さな企業の方が経営効率は良くなる傾向があります。

ただ私が思うのはこの「総資産回転率」で仮に「2.6回転」と「2.9回転」の2つの企業を比較して、この「0.3」という差が実際にどれだけ効率性の差が出ているのか個人的にイメージしにくいと感じます。

 

こういった指標関連を使い慣れておられる方やもしくはすぐに暗算で「2.6回転=136日」や上記の「0.3回転」の差の効率性が実際の日数で考えたら何日なのかとすぐに暗算できる方は指標を使うにあたっても抵抗はないかと思います。

ただ私と同じように「0.3回転」といわれてもすぐに判断が出来ない方は、「総資産回転日数」「総資産回転月数」の方が私はおススメです。

総資産の1回転に「何日かかったか」「何か月かかったか」で表してくれる指標です。

 

総資産回転日数

総資産回転日数は、「総資産が1回転するのにかかった日数」を表してくれます。

1回転するのに「200日」や「250日」といったようにかかった日数で表してくれます。

 

 

計算式

総資産回転日数(日)=総資産÷(売上高÷365)

基本的な考え方は総資産回転率と同じ考え方です。

ただ数値が高いか低いかでの見方は逆の考え方になるので注意ください。

総資産回転率は「1年間に何回転できたか」なので数値は高い方が好ましいです。

対して総資産回転日数は「1回転に何日かかったか」なので数値は低い方が好ましいです。

 

例えば上でも使ったB社の例で考えてみましょう。

「B社は総資産300万円で年間800万円の売上高のある会社です。」

上記した計算式に当てはめて各数値を計算します。

 

総資産回転率→2.6回転

総資産回転日数→136日

 

例えばB社の経営の効率が良くなって資産を利用する効率性が良くなったケースを考えてみましょう。

総資産は300万円とかわらないが、年間売上は1200万円に増収になったケースです。

総資産回転率→4回転

総資産回転日数→92日

 

総資産回転率は、1年間で見ると1.4回転上昇しています。

総資産回転日数は、1回転にかかる日数が44日間短縮できています。

共に各指標の数値が良くなっているのは分かりますが、指標を使うにあたってどちらが分析しやすいかという話です。

 

私は、「1回転にかかった日数」で表してある方が分かりやすいので「総資産回転日数」の方をよく使います。

 

総資産回転月数(月)=総資産÷(売上高÷12)

 

 

 

これらの指揮を使って総資産の有効活用度合いを調べる時には注意する点もあります。

計算式に使う総資産とは、「貸借対照表で資産に分類される全てのもの」に対して「会社が生みだした利益」を計算して、企業経営の効率性を計算する指標です。

 

会社の資産の種類にはさまざまのものがあります。

お金→現金、預金、小切手

債券→売掛金

在庫→商品、製品、仕掛品、原材料

設備→建物、土地、車両運搬具、船舶

 

これらは貸借対照表の資産の中の代表的な分かりやすいものだけ記載しました。

 

 

ただこれらの資産の中身を見ると実際に会社の利益に直結しないようなものも多く含まれています。

 

例えば、会社にとって「現金」はもちろん必須ですが、「現金」のまま手元に置いておいて何か利益を生み出すかと言われれば、「現金」なので利益を生み出すことはもちろんありません。

 

ただ計算式に使われているのは「総資産」なので、これらを全ての資産が利益に通ずるものとして考えて計算します。その上で会社経営の効率性を判断する指標が「総資産回転率」というわけです。

 

 

 

総資産の回転効率を高めるには

①資産を増やさずに売上を増加させる。

分母の資産はそのままで、計算式の分子である売上だけを増やして総資産回転率は上昇させることが出来ます。

 

(例)社員が今まで以上に、営業活動などを活発に行うことで売上高を増加させる。

 

②資産の中身を売り上げを生み出すものに変える。

【現状】総資産 2000万円のとある企業

資産の内訳 現金500万円、工場500万円、土地1000万円

資産の内容を変化させる!

【改善後】総資産 2000万円(増減変わらず)

内訳 現金500万円、工場500万円、建物500万円、車両500万円

 

この会社は1000万円の土地を持っていましたが、利用する用途は現状では全くありませんでした。そのためこの土地を売却して得られた1000万円のお金で、会社の経営に必要な建物と車両を500万円ずつ購入しました。

 

手元に現金で置いておくより、会社の経営に使える「建物」や「車両」を購入して、会社の設備を強化して経営の効率を高めようとした場合です。

これで経営の効率化が上手くいけば売上高が増加して、総資産回転率も上昇します。

 

③不要な資産を処分して総資産を減少させる。

こちら①の逆で分子である売上高はそのままで、分母である総資産を減らして総資産回転率を上昇させることが出来ます。

 

②の例では分かりやすいように土地を売却した際に帳簿上で1000万円の土地を売却した際の売却益をそのままの1000万円で計算しています。

ですが実際は、帳簿上の金額と違うことがほとんどで「帳簿では1000万円で評価されていたものが、実は800万円の価値しかなかった。」ということがよくあります。

ただこの土地自体は不要なものなので、②の例のように資産を中身の前の段階として、不要な資産を売却すると総資産回転率は上昇します。

 

 

総資産回転率と関連の近い指標

 

総資産回転率を計算する際の「総資産」とは、流動資産固定資産もひとまとまりとして数値を計算します。

なので総資産回転率は、全ての資産が利益に通ずるものとして考えて計算されていますが、実際には利益を生み出すことのない資産も多く含まれていることは事実です。

このデメリットをカバーするためにあるのが、「固定資産が資産回転率」という全ての資産ではなく「固定資産」に絞って計算する財務指標になります。

固定資産回転率(回)=売上高÷固定資産

 

 

固定資産回転率を細分化したもので有形固定資産に限定して計算するもので、「有形固定資産回転率」というものもあります

有形固定資産回転率(回)=売上高÷有形固定資産回転率

 

これらの指標は「売上高と資産」に焦点を絞って企業の経営が効率性に運営できているかを調べる財務指標です。

企業の「当期純利益」に対しての資産の有効活用度合いを判断する指標もあります。それが「ROA」です。

ROA(総資産利益率)=当期純利益÷総資産(株主資本+総負債)

 

ROAとは

ROAも企業の資産を有効活用できているかを判断するための重要な指標です。計算式に「総資産」を使うのは同じです。

総資産回転率は「売上高に対しての資産の有効活用度合いを見る」に対して、ROA(総資産利益率)は利益率の計算式なので「最終的な純利益に対して資産の有効活用度合いを見る」ものなので計算式に使う数値が「売上高と純利益」で違ってきます。

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ただ総資産回転率もROAも共に重要な指標なので、ともに確認した上で投資をするようにしましょう。

 

 

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