目次
小売業界を分析するには欠かせない指標なんだ!
アツギリ
Chii
交差比率とは?
まずは「交差比率」とはを解説するぞ!
アツギリ
交差比率とは小売業の業界でよく使われます。
簡単に言うと「企業がどれだけ儲かってるか?」を判断する指標です。
それではいきましょう!
交差比率とは?簡単に説明!
交差比率を使うと業績を利益と在庫の面から分析できます。
小売業では仕入在庫と売上で下記の2点が大事です。
- 利益率:売れてどれだけ利益があるか?
- 在庫回転率:在庫の仕入れと出荷の状況は?
アツギリ
- 「利益率が低い」ケース
→商品を「安く仕入れる」or「高く売る」ことで利益率を改善 - 「在庫回転率が低い」ケース
→「安く仕入れて売り切る」or「売れる人気品を仕入れる」ことで改善
利益率と在庫の回転率は売上に直結するので、業績UPに欠かせません。
Chii
交差比率の計算式は?
アツギリ
交際費率は「在庫回転数×粗利益率」で計算します。
在庫回転率と粗利益率は次で解説します。
Chii
「在庫回転率」と「粗利益率」
在庫回転率と粗利益率を解説します。
在庫回転率とは?
在庫回転率は1年間で何回転の仕入れ在庫が売れたかか?が分かる指標です。
在庫回転率が高いということは「仕入→販売」までの期間が短いことを言います。
Chii
値は高い方が好ましく、理由は下記です。
- 商品の売れ行きが良い → 在庫リスクが低い
- 保管が短く劣化が少ない → 商品の状態が良い
- 小さな在庫置場でOK → 保管コストが低い
これらの理由から在庫回転率は高い方が好ましいです。
アツギリ
粗利益率とは?
粗利益率とは、販売価格が仕入値に対してどれだけ利益が上乗せされたかを示す指標です。
Chii
「粗利益率が高い商品=付加価値がある」ため、企業として儲かりやすくなります。値は高い方が好ましく、理由は下記です。
- 売れた時の利益が大きいので儲かりやすい
- 価格競争、値上げにも対応できる
- 利益を次の成長事業への投資に使える
- 借金無しで事業がまわる
これらの理由から粗利益率の値も高い方が好ましいです。
交差比率の見方、考え方は?
Chii
「交差比率が高い=良い企業」と単純に判断するのはNGで、在庫回転率と粗利益率まで分析しましょう。
一見、交差比率が高くても片方が低く、何か問題点が見つかることもあります。
アツギリ
企業の特長を知ると交差比率が分かる
まずは企業の特長を解説します。ここでは2つのケースを出します。
薄利多売の企業
薄利多売の企業のケースです。
特長は「商品1つの利益は小さいですが、たくさん販売することで儲ける」点です。
アツギリ
安さが魅力の企業なので、粗利益率は低くなりがちです。
在庫回転率 | 〇(高い) |
---|---|
粗利益率 | △(低い) |
数が売れないと利益が出ない仕組みなので、在庫回転率を高く維持することが大事ですね。
多利少売の業種
次に多利少売の企業のケースです。
あまり聞きなれないかもですが、薄利多売と逆ですね。
特長は「1日に売れる数は少ないですが、1つ売れて多くの利益がある」点です。そのため在庫回転率は低くなりがちです。
例えば不動産、車、ブランド品だな!
アツギリ
商品の付加価値を付けて、独自性を売りにする企業が多いです。
在庫回転率 | △(低い) |
---|---|
粗利益率 | 〇(高い) |
商品の利益率を高く維持する必要があるので、他社との差別化が重要になってきます。
「交差比率が高い=良い企業」ではない
もちろん交差比率は高いに越したことはありませんが、「交差比率が高い=良い企業」とも言えません。
100円ショップを例に解説するぞ!
アツギリ
100円ショップは「低価格の商品×大量販売」大量販売が前提のビジネスモデルです。
今回の指標で表すと下記になります。
- 販売数が多い → 在庫回転率が高い
- 価格が安い → 粗利益率が低い
つまり交差比率が高い100円ショップの企業は「在庫回転率を高くしている」ことが分かります。
でも在庫回転率が低くなるケースは多く、わりと簡単に悪化する指標です。
アツギリ
例えば下記のケースです。
・仕入在庫の中で売れない商品の出現
あくまで一例ですが「コスト上昇→在庫回転率→交差比率」と繋がるケースです。
交差比率が高い企業でも事業環境が1つ変われば、指標が悪化することは多いです。
「交差比率が高い=OK」じゃなく、中身まで把握することが重要です。
Chii
アツギリ
交差比率の目安は?
次に交差比率を判断する目安を解説します。
Chii
交差比率は「〇以上はOK」「〇以下はNG」と明確な基準がありません。
そのため業界平均と比べて「高いか?低いか?」で判断しましょう。
交差比率の業界の目安は?
アツギリ
以下が交差比率の各業界の目安です。
業界 | 粗利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|---|
スーパー | 23% | 40回 | 920% |
家電 | 37% | 12回 | 450% |
酒 | 20% | 17回 | 340% |
スポーツ | 30% | 9回 | 270% |
靴 | 34% | 5回 | 170% |
書籍 | 20% | 8回 | 160% |
カメラ | 16% | 4回 | 60% |
Chii
交差比率で分析する手順
アツギリ
最後に交差比率を分析する手順を解説します。
ざっくりと一例なので、他にも分析方法は色々あります。
良い点、悪い点を洗い出しましょう!
業績、財務、先行き等から総合的に判断しましょう!
Chii
まとめ
以上、交差比率の解説でした。
アツギリ
繰り返しになりますが「業績好調の企業=良い企業」の判断はNGです。
「何かココの数字おかしいな」と思ったら、開示資料を見て原因を探ります。
「ココの数字めちゃくちゃ良いな」となっても直ぐに信用するのではなく、何が理由で良いのか同じく原因を探ります。
Chii
企業分析の過程で指標は原因や理由を発見するきかっけです。
指標の表面上の数字だけで企業を判断すると、間違った評価に繋がるケースは非常に多いので注意が必要ですね!