【安全性分析】インタレストカバレッジレシオの業界平均は?高すぎもNG

インタレストカバレッジレシオについて解説するぞ!

アツギリ

Chii

何それ、初耳だわ。カタカナばかりで何だか難しそうね!

インタレストカバレッジレシオとは企業の安全性を判断する指標です。

この記事ではインタレストカバレッジレシオの下記の内容が分かります。

この記事で分かること
  • 何を判断する指標か?
  • 計算方法は?
  • 指標の使い方は?
  • 使う時の注意点は?

それでは順番に解説します。

インタレストカバレッジレシオとは?

「インタレストカバレッジレシオってなに?」の画像

金利の支払い能力を判断する指標だな!

アツギリ

インタレストカバレッジレシオとは「借金の利息」と「会社の稼ぐ力」を比べて、金利の負担能力が分かる指標です。

企業は事業を行う際に銀行から何億、何十億の単位でお金を借ります。

そのため銀行に支払う利息は大きくなります。手元資金や借入金額によっては資金繰りを悪化で返済が滞り、事業が継続できなくなることもあります。

つまりインタレストカバレッジレシオを見れば、利息と稼ぐ力から財務の安全性を判断できます。

Chii

つまり支払利息がお財布をどれだけ圧迫してるかを判断する指標ね!

ちなみにインタレストカバレッジレシオは各言葉の意味を理解すると覚えやすいです。

インタレストカバレッジレシオの意味
  • インタレスト → 支払利息
  • カバレッジ → カバー、賄う
  • レシオ → 割合
MEMO
英語だと「interest coverage ratio」なので、略してICRとも言います。

金融機関が企業に融資する時に業界平均と企業を比較して判断されます。

インタレストカバレッジレシオの計算式は?

「インタレストカバレッジレシオの計算式は?」の画像

次にインタレストカバレッジレシオの計算式を解説するぞ!

アツギリ

インタレストカバレッジレシオの計算式は2つあります。

Chii

えっ、2つもあるの?

インタレストカバレッジレシオの計算式①

まずは簡単な計算式だぞ!基本的にコレを使うことが多い!

アツギリ

計算式①ではインタレストカバレッジレシオの概算値を計算できます。

計算式は下記です。

計算式①
インタレストカバレッジレシオ(ICR) = 営業利益 ÷ 支払利息

「営業利益=稼いだ利益」「支払利息=銀行への支払額」で計算します。

支払利息の何倍の営業利益を稼げているか?で企業の資金繰りを判断するという訳です。

Chii

「利益は大きく、利息は小さく」が健全な企業経営ね!

インタレストカバレッジレシオの計算式②

次はより細かく、複数の項目から計算する方法だ!

アツギリ

計算式②では更に詳しいインタレストカバレッジレシオを計算します。

計算式は下記です。

計算式①
インタレストカバレッジレシオ(ICR) = (営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息)

計算式①に「受取利息、受取配当金」を加えます。より実態に近いインタレストカバレッジレシオの値が分かります。

  • 受取利息 → 銀行などの預けたお金などから受け取る利子や利息
  • 受取配当金 → 所有する株式などから受け取る配当金

計算式②になると、ここまで詳しい項目を調べるのは困難なことが多いです。

受取利息や受取配当金は額が小さいケースが多いため、項目抜きの計算式①でもかなり実態に近い値がケースが多いですね。

Chii

営業利益と支払利息なら損益計算書で直ぐに分かるよね!

インタレストカバレッジレシオの使い方は?

「インタレストカバレッジレシオの使い方は?」の画像

インタレストカバレッジレシオの使い方を解説するぞ!

アツギリ

ICRは倍率が高いほど安全性が高い

Chii

値は何を目安に判断すればいいの?

インタレストカバレッジレシオは5倍、10倍倍率で表します。

計算式は「営業利益÷支払利息」なので、倍率が高いほど企業の安全性は高いことが分かります。

「営業利益を多く、支払利息は少なく」する必要があるので、企業が稼げていないと値は高くなりません。

基本的には倍率が高いほど安全性が高いという見方でOKだぞ!

アツギリ

投資方針によってはインタレストカバレッジレシオの高すぎがNGなケースもあります。記事の後半で「インタレストカバレッジレシオの注意点」を解説してます。

ICRの平均や基準は?

インタレストカバレッジレシオの平均や基準をサラっと紹介します。

業種によっても平均や基準は変わりますが、これは記事の後半で解説します。

ここで紹介する値は2021年時点のインタレストカバレッジレシオだ!

アツギリ

ちなみにICR1倍とは「営業利益=支払利息」の状態です。つまり借入金の返済や事業投資、株主還元などに何も資金が使えません。

ICR12~15倍が平均値

インタレストカバレッジレシオの平均値は12~15倍です。

ICRが12~15倍の企業の例は下記です。

ICR12~15倍の例
  • 8591 オリックス → 13倍
  • 3086 Jフロント → 13倍
  • 6727 ワコム → 14倍
  • 7550 ゼンショー → 14倍
  • 9007 小田急電鉄 → 15倍

Chii

どこも有名で聞いたことある企業ばかりね!

ICR18倍以上が理想

インタレストカバレッジレシオの理想は18倍以上が目安です。

ICRが18倍以上の企業の例は下記です。

ICR18倍以上の例
  • 2914 日本たばこ産業 → 18倍
  • 2501 サッポロHDG → 19倍
  • 2802 味の素 → 21倍
  • 7205 日野自動車 → 22倍
  • 2651 ローソン → 24倍
  • 6755 富士通ゼネラル → 28倍
18倍を超えると安心して長期投資できるな。

アツギリ

ICR30倍以上は超優良

インタレストカバレッジレシオが30倍以上の企業は超優良企業です。

ICR30倍を超えの超優良企業の例は下記です。

ICR30倍以上の例
  • 2371 カカクコム → 46倍
  • 2229 カルビー → 74倍
  • 6594 日本電産 → 77倍
  • 4452 花王 → 188倍
  • 9433 KDDI → 365倍

Chii

花王は77倍!KDDIは365倍!?スゴイ!!

ICR10倍以下は注意

インタレストカバレッジレシオが10倍以下の企業は注意が必要です。

10倍以下はこれから成長する中小型の企業に多いぞ!

アツギリ

ICR10倍以下の企業の例は下記です。

ICR10倍以下の例
  • 4485 JTOWER → 3倍
  • 4565 そーせい → 3倍
  • 3933 チエル → 5倍
  • 3920 IBC → 6倍
  • 3563 スシロー → 9倍

事業規模や時価総額が小さな企業が目立つ印象です。

値が低くなる理由は「借入額が大きい=支払利息が大きい」とシンプルです。

今後の成長に事業投資が必要で、銀行への借入額も大きくなります。

Chii

成長余地を考えると「ICR10倍以下=悪い企業」とは言い切れないのね!
成熟企業に比べて、返済能力の信頼度がまだ低いのも利息が高くなる1つの理由だな!

アツギリ

インタレストカバレッジレシオの業界平均は?業界別に解説!

同業種の他企業と比較すればOK

業種ごとの平均値から判断すべき!

アツギリ

インタレストカバレッジレシオは基本的に倍数が高いほど、安全性が高い企業と判断されます。

でも「値が高い=良い企業」と単純な判断はNGで、業界の平均値と比較すべきです。

何故なら業種毎に平均値がかなり違うからです。

Chii

同じ10倍でも業種によって捉え方が違うんだ!

インタレストカバレッジレシオの業界平均を知る

業界の代表企業のインタレストカバレッジレシオの値をまとめました。

鉄道業界

鉄道業界のインタレストカバレッジレシオは低めだぞ!

アツギリ

鉄道セクターの業界平均
  • 9020 JR東 → 8倍
  • 9022 JR東海 → 9倍
  • 9021 JR西 → 11倍
  • 9007 小田急電鉄 → 15倍
  • 9001 東武鉄道 → 15倍

鉄道業界のインタレストカバレッジレシオは平均10倍前後です。

先に「10倍以下は注意」と書きましたが鉄道業界は安定収益が入る業種なので多少、値が低くても問題無しです。

電力業界

電力業界も同じく安定収益の業界だ!

アツギリ

電力セクターの業界平均
  • 9508 九州電力 → 4倍
  • 9504 中国電力 → 6倍
  • 9506 東北電力 → 9倍
  • 9511 沖縄電力 → 11倍
  • 9507 四国電力 → 21倍

電力業界も鉄道と同様に安定的に稼げる業界なので、インタレストカバレッジレシオは全体的に低めです。

同じく平均値は10倍前後が目安ですね。

食品業界

食品業界は企業によって値に開きがあるぞ!

アツギリ

食品セクターの業界平均
  • 2501 サッポロHDG → 19倍
  • 2802 味の素 → 28倍
  • 2281 プリマハム → 61倍
  • 2593 伊藤園 → 67倍
  • 2264 森永乳業 → 182倍

食品業界のインタレストカバレッジレシオは平均30~40倍前後です。

森永乳業は何と182倍と非常に高く、安全性はズバ抜けて高いです。

建設業界

インタレストカバレッジレシオは高過ぎもNGだぞ!成長投資が出来ていない可能性が高い!

アツギリ

建設セクターの業界平均
  • 1805 飛鳥建設 → 26倍
  • 1893 五洋建設 → 30倍
  • 1419 タマホーム → 39倍
  • 1719 安藤ハザマ → 112倍
  • 1808 長谷工 → 818倍

建設業界のインタレストカバレッジレシオは平均30倍前後です。

長谷工は818倍と非常に高いですが、インタレストカバレッジレシオが高過ぎるのもNGです。(後で解説します。)

医薬品業界

医薬品の開発には莫大な資金が必要だぞ!

アツギリ

医薬品セクターの業界平均
  • 4558 中京医薬品 → 20倍
  • 4503 アステラス製薬 → 25倍
  • 4883 モダリス → 64倍
  • 4880 セルソース → 220倍
  • 4599 ステムリム → 1359倍

医薬品業界はインタレストカバレッジレシオの値の開きが特に大きいです。

そのため業界の平均値は無し考えるべきです。

ですが下記の傾向があります。

  • 上場後、間もない企業は高い
  • 上場後、一定期間の経過で低くなる

上場直後の企業は上場時の調達資金を開発資金に使います。つまり「銀行借入不要→利子支払い減→低ICR」となり、値が低くなるわけです。

Chii

医薬業界は「医薬品の開発資金元は何か?」でインタレストカバレッジレシオの値が大きく変わるのね!

小売業界

小売業界は似た値の企業が多いぞ!

アツギリ

小売セクターの業界平均
  • 2685 アダストリア → 26倍
  • 3186 ネクステージ → 27倍
  • 3193 鳥貴族 → 22倍
  • 8267 イオン → 18倍
  • 7616 コロワイド → 2倍

小売業界のインタレストカバレッジレシオは平均20倍前後です。

この中ではコロワイドがダントツで低く、かつ業界平均に対して大きく下回っているので注意が必要です。

Chii

平均値より低い時は財務分析に進めばOKね!

不動産業界

不動産セクターの業界平均
  • 3289 東急不動産 → 8倍
  • 3231 野村不動産 → 10倍
  • 3465 ケイアイスター不動産 → 11倍
  • 8803 平和不動産 → 13倍
  • 8830 住友不動産 → 38倍

不動産業界のインタレストカバレッジレシオは平均10倍前後です。

20倍を超えると高い印象なので、この中では住友不動産の財務は安全性が高そうですね。

電気機器業界

電気機器セクターの業界平均
  • 6976 太陽誘電 → 18倍
  • 6755 富士通ゼネラル → 28倍
  • 7735 SCREEN → 35倍
  • 6856 堀場製作所 → 42倍
  • 6588 東芝テック → 14倍

電気機器業界のインタレストカバレッジレシオは平均30倍前後です。

新製品の開発が活発な業界にも関わらず、業界平均は高い印象です。

インタレストカバレッジレシオの注意点

ICRを使う時はココに注意!

アツギリ

「高い=良い企業」ではない

インタレストカバレッジレシオは「値が高い=安全性が高い」と判断できる財務指標です。

ですが「高い=優良企業」ではなく、企業を判断する基準次第では逆にNGです。

低ICR企業は中身を見て判断すべき

インタレストカバレッジレシオが低くなる理由は下記です。

低ICRの理由
  • 営業利益率が高く、企業が稼ぐ利益が大きい
  • 支払う利息が少ない

益性が高い企業のケースはOKです。

ですが「支払利息が少ない→借入額が少ない→事業投資をしていない→業績が横這い」のケースはNGです。

Chii

安全性が高くても成長しない企業は衰退してるのと同じよね!

インタレストカバレッジレシオの調べ方

インタレストカバレッジレシオは楽天証券アプリのiSPEEDで簡単に調べられます。

「指標」タブで確認

楽天証券のiSPEEDの「指標」タブの下の方でインタレストカバレッジレシオは確認できます。

楽天証券のインタレストカバレッジレシオの画像1

スクリーニングで検索

同じく楽天証券のiSPEEDでインタレストカバレッジレシオの値からスクリーニングする方法です。

楽天証券のインタレストカバレッジレシオの画像2

「検索→スーパースクリーナー→ICRの値を指定」の流れです。

楽天証券のインタレストカバレッジレシオの画像3

画像のように「インタレストカバレッジレシオ 20~40倍」で指定すると、銘柄が選定されます。

まとめ

インタレストカバレッジレシオは財務分析にわりと使えるぞ!

アツギリ

インタレストカバレッジレシオはPERやPBRのように主力指標ではありませんが、利息の返済能力を一目で判断できる指標です。

計算式に含まれる「営業利益と支払利息」は業績にモロに響きます。

なのでインタレストカバレッジレシオが低すぎないか?高過ぎないか?だけでも確認しておくべきです。

Chii

私もインタレストカバレッジレシオを使いこなせるわ!企業分析の武器が1つ増えた!

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