目次
アツギリ
この記事では「【企業分析】PSR(株価売上高倍率)の計算方法を解説!平均・目安は?」を解説します。
企業分析の勉強におススメの本です↓
特に”中小型株の成長イメージを掴む”参考になり、ぶっちゃけかなり勉強になりますよ。
PSR(株価売上高倍率)とは?
Chii
「PSR(株価売上高倍率)」は企業の売上成長から今後の株価を予測する指標です。別名は「株価売上高倍率」です。
ちなみにPSRは「Price to Sales Ratio」の頭文字を取ってPSRです。
PERやPBRは有名ですが、それに比べてPSRは使う人が少なく、わりとマイナーな指標です。
アツギリ
PSR(株価売上高倍率)の計算式は?
Chii
PSRの計算式は下記です。
PSRは「PSR=時価総額÷売上高」で計算します。
別名「株価売上高倍率」というだけあって、「時価総額は売上高の何倍か?」とシンプルに計算します。
使い方はPSRの値が「高い=割高」「低い=割安」で株価を判断します。すごくシンプルですね。
ちなみに「PSR(株価売上高倍率)=株価÷1株あたり売上」でも計算できます。
アツギリ
PSRを株価分析に使う理由は?
Chii
株価の割高・割安は「当期純利益(=稼いだ利益)」で判断するケースが多いです。
ですがPSRの計算式では「売上高」を使います。計算式の中に利益は含まれてません。
その理由を解説します。
成長フェーズでは売上成長が大事
PSRは特に成長企業の分析に使えます。
何故なら成長企業は稼いだ利益を先行投資に回すので手元に利益がほぼ残らない、もしくは赤字のケースが多いです。
アツギリ
企業の成長までの流れをザックリと解説です。
下記が成長フェーズの特長です。
- 売上 → 拡大
- 利益 → 先行投資に使う → 手元に残らない
稼いだ利益を事業に再投資するため、手元に利益が残りません。
つまり当期純利益で株価を判断するPERでは正しい判断できないということになります。
アツギリ
仮に先行投資を除けば利益を稼げている企業が多いです。
「事業投資をストップすれば将来的に利益が入る」という先読みを元に売上成長から株価を判断する指標がPSRです。
PSRを使い方は?
Chii
アツギリ
PSRの平均・目安は?
PSRの平均や目安は下記です。
- 割安 → 1倍以下
- 平均値 → 5倍
- 割高 20倍以上
これは一般的に言われているPSRの目安値ですが「PSR25倍=割高=買えない」と単純な判断は下せません。
業種や企業規模、将来的に稼ぐ利益などを合わせて考える必要があります。
PSRは業種ごとに判断
Chii
PSRは企業の業種ごとに判断すべきです。
理由は企業のビジネスモデルで今後の成長スピードに差が出るからです。
分かりやすい例を出すとITベンチャーと食品スーパーです。
- ITベンチャー → PSR15倍 → 割安
- 食品スーパー → PSR15倍 → 割高
ITベンチャー企業は売上の伸び率が大きいです。1年で+50%、+100%と成長するケースがあります。
対して食品スーパーの伸び率は良くて+10%成長の企業が多く、売上が横這いや減収の企業も結構あります。
つまり同じPSR15倍でも意味が全く違い、成長率が高い企業ほど高PSRを許容されます。
アツギリ
PSRは企業規模で判断
Chii
PSRは企業の規模ごとに使い方や判断方法を変える必要があります。
理由は成長スピードが大きく違うからです。規模が小さな企業ほど成長が早いです。
例えば「企業A=時価総額5000億」と「企業B=時価総額50億」のケースです。(※同じビジネスモデル、事業内容と仮定)
- 企業A(時価5000億) → 年+10%成長 → 5年後=+50%成長
- 企業B(時価50億) → 年+50%成長 → 5年後=+250%成長
企業規模が小さいほど「成長率」は高くなりがちです。
投資家は「売上+〇億」より「売上+〇%」といった成長率で判断するため、伸び率が大事です。
規模が小さな企業は5年後、10年後の売上が何倍にも大きく成長している可能性が高いので、時価総額(企業の規模)も合わせて判断すべきです。
小規模企業ほどPSRも割高になりがちで、許容されるケースが多いですね。
アツギリ
PSRはPERと併用した分析を
企業の成長フェーズで売上成長率は大事ですが、株価の判断に1番大事なのはやはり「利益」です。
そのため企業の収益性も合わせて判断すべきですね。
Chii
PERの値は参考にならないケースが多いので、自分で予想利益を計算します。
利益が手元に残らない理由は主に「先行投資」なので、先行投資を除くとどれだけの利益が稼げているかで判断します。
- システム投資
- 広告宣伝費
- 人材採用費
- オフィス移転費用
先行投資の期間を終えても広告宣伝費がゼロになることはほぼ無いので、自分で仮定して計算しましょう。
アツギリ
1つ例を出すと僕は「ストック売上の比率」を重視してます。
例えばマネーフォワードのような家計簿アプリは1度使い始めると、長く使い続ける人が多いです。
- 支出管理に欠かせないツール
- 自分で家計簿の作成は手間
- 他社への移行は銀行、クレカの再登録が手間
理由は様々ですが売上や利益が継続的に入ってくることがポイントです。
- ストック売上の割合は?
- 解約率は何%くらいあるか?
- 継続的に使いたいサービスか?
といった項目から売上や利益の継続性を計算します。
このようなビジネスモデルをもつ企業は、極端な話だと仮にCM等の広告をゼロにしても売上や利益が持続します。
つまり先行投資の期間が終われば大きく稼げることが分かりますね。
Chii
まとめ
アツギリ
成長企業を判断する際にPSRは欠かせません。
「PER=割高」と表す企業でも、PSRを使えば高い成長力を持つ魅力的な企業だったというような新しい発見があります。
PSRは先行性のある指標ですが、「PSR=時価総額÷売上」と超シンプルな計算式なので単体での使用はキケンです。
他の指標を併用して総合的に判断しないと見落とし箇所が出てくる点は注意が必要ですね。
Chii
アツギリ
Chii