目次
酒田五法の8つの「天井形成シグナル」を紹介します。
このチャート形状が高値圏で出現すると、上昇トレンドが終了し天井を付けた可能性が高いです。
これらのサインは「株価の天井付近」以外だと意味が異なるので注意しましょう。
≪参考書籍≫
[itemlink post_id=”3389″]
酒田五法「波高い線」とは?
「波高い線」のチャート解説
「波高い線」のポイント⓵
波乱相場になる可能性があるチャートパターンです。この長い上髭で十字線のようなローソク足が「波高い線」のポイントです。
上昇トレンドの流れから寄付きから大きく上昇するも、途中から利益確定が入り失速します。
下落に転じる場面もありますが前日比でほぼ変わらない価格帯で取引が終わります。
高値圏での買い注文は「遅れて買った投資家」で、売り注文は「利益確定をしたプロ投資家」であると予測できます。
「波高い線」のポイント⓶
「出来高」に注目です。値動きの分析に加え、出来高分析を行うと株価の需給関係が分かります。
「ポイント②の上昇期間の出来高」と「ポイント①の出来高」を比較しましょう。
上昇トレンドの基本は「株価上昇=出来高増加」「株価下落=出来高減少」です。
ポイント⓶では株価と出来高の関係性が成り立っていますが、ポイント⓵の陰線では関係性が崩れていることが分かります。
酒田五法「下げ足のカブセ」とは?
「下げ足のカブセ」のチャート解説
「下げ足のカブセ」のポイント⓵
上昇トレンドで株価は高値圏にある中で「下げ足のカブセ」は出現します。
株価の高値形成で非常に出現率の高いチャートパターンです。
ポイント①では、前日の株価上昇の流れから高く寄り付くも引け値では大きく売られて大陰線で引けます。(=抱き線)
大陰線に合わせて出来高が急増しているため、多くの売りが出たことが分かります。
「高値圏→高寄り→大陰線+出来高急増」のサインだけでも天井形成のシグナルとして相当強いサインです。ですが下げ足のカブセはまだ完成ではありません。
「下げ足のカブセ」のポイント⓶
大陰線を押し目と判断し買いに動いている投資家がいるため陽線が出現します。(=はらみ線)
ですが前日の大陰線に比べてローソク足のサイズは小さく、出来高も少ないです。
更に翌日には陰線が出現し、陽線に割り込んで取引を終えます。(=カブセ線)
カブセ線では出来高も増加しているため、売り需要は優勢と確認できます。(=「下げ足のカブセ」完成)
先日の「大陰線+出来高急増」に続き、「抱き線→はらみ線→カブセ線」は酒田五法の全て弱気シグナルです。
株価の高値圏に加え、弱気サインが連続すれば「天井形成→下落」はほぼ間違いないと判断して良いでしょう。
酒田五法「団子天井」とは?
「団子天井」のチャート解説
「団子天井」のポイント⓵
半円を描きながら緩やかに下落するチャートが「団子天井」です。
高値圏から大陰線等のように大きく下落するわけではないため「株価の値動きは強い=もう一度上昇するかも?」判断してしまいがちなチャートです。
大きく上昇してきた割に下落は緩やかです。ですが「陰線の出現頻度」が高い点に注目です。
「陰線が多い=取引時間中は売りが優勢」で、買いが継続的に入りにくい状況です。
上昇トレンドが継続するケースは株価の下落時の出来高は減少しますが、天井形成のケースは出来高は増加傾向にあります。
「団子天井」のポイント⓶
ズルズルと下落するので判断が難しいチャートですが、ポイント②の窓を開けて下落した時点では売却必須です。
「窓開け下落+出来高増加」は明確なトレンド転換のサインなので、更に大きく下落する前に売っておきましょう。
酒田五法「上位で陰線五本」とは?
「上位で陰線五本」のチャート解説
「上位で陰線五本」のポイント⓵
天井付近で「陰線が5本連続」が「上位で陰線五本」のサインです。
先ほどの団子天井」と同様に株価の急落ないため、一時的な株価調整との見極めが難しいです。
「上位で陰線五本」は名前の通り陰線が五本連続する点がポイントです。
高値圏で陰線が連続しているため、利益確定、空売りで売りが増えていることが分かります。
「上位で陰線五本」のポイント⓶
出来高減少が確認できない点に注目です。
上昇トレンドは「陽線=出来高増加」「陰線=出来高減少」ですが、「上位で陰線五本」では陰線で出来高が減少せずに同等、もしくは増加しています。
酒田五法「首吊り線」とは?
「首吊り線」のチャート解説
「首つり線」は下ひげが長くため「大きく下落→急激な買い戻し」の値動きから「下値では強い買いがある」と判断する人が多いのではないでしょうか?
この考えは間違いです。「下落トレンド→底値形成」のチャートでは正しい考え方ですが、高値圏で「首吊り線」として下ヒゲの長いローソク足が出現したケースでは考え方が違います。
今回は高値圏で「下ヒゲの長いローソク足」が出現してます。
つまり「売った投資家(=売り手)」と「売られてから買った投資家(=買い手)」がいるわけですが、売り手はプロの投資家で買い手は大衆投資家であるケースが多いです。
プロは行動が早く、大衆投資家は行動が遅いです。株価の天井付近で買うのはいつも大衆投資家(素人投資家)です。
「首吊り線」は株の保有者が「プロ→個人」に移ったサインで、遅れてきた個人が買った後は買い続く投資家がいないため天井になるケースが多いです。
出来高の推移もあわせて分析
「首吊り線」では売買が活発に行われるため出来高が増加します。
高寄り後、利益確定で大きく下落し再度大きく買われているため出来高はも膨らみます。
今回の出来高増加は売りサインで、下落圧力を強いと判断できます。
酒田五法「捨て子線」とは?
「捨て子線」のチャート解説
「捨て子線」のポイント⓵
「捨て子線」はポイント①の「十字線(クロス線)」の出現がサインです。
十字線は「売り需要=買い需要」で各エネルギーが拮抗している状態です。
「捨て子線」のポイント⓶
十字線(クロス線)が出現した翌日に大陰線で大きく下落しています。
寄付きから売り注文殺到で下落し、取引時間中も更に下落しており「買い優勢→売り優勢」に切り替わったと判断できます。
株価下落に加え、出来高増加もトレンド転換の裏付けになります。これまでの上昇トレンドの出来高に増加しているため、下落トレンドに転換したと判断していいサインです。
酒田五法「三手放たれ寄せ線」とは?
「三手放たれ寄せ線」のチャート解説
「三手放たれ寄せ線」のポイント⓵
窓を開けて急騰し、その後も下落せすに3本連続で陽線が出現するケースです。
このローソク足の並びからもて買い手が有利な強い値動きだと分かります。
この際に出来高も増加しているので、値動きの裏付けもあり上昇パワーが感じられます。
「三手放たれ寄せ線」のポイント⓶
ポイント②では基調に変化が見られます。十字線(クロス線)が出現します。
十字線は、「買い需要=売り需要」であることを表しています。
これまでは買い需要が勝っていましたが、売り需要の増加から拮抗状態になります。
買いの出尽くしから下落トレンドに転換する可能性もあるので、酒田五法では一旦は売りの判断になります。
酒田五法「ツタイ線の打ち返し」とは?
「ツタイ線の打ち返し」のチャート解説
「ツタイ線の打ち返し」のポイント⓵
上昇相場で前日より安く寄り付き陰線が連続することを「ツタイ線」と言います。
ツタイ線の出来高は高値圏よりも増加し、下落の勢いを感じます。
「下落+出来高増加」は株価トレンド転換時には注意して見ておきたいポイントです。
「ツタイ線の打ち返し」のポイント⓶
ツタイ線が出現した後に、大陽線が出現します。
大陽線なので値動きだけを見れば非常に強いようにも感じますが、出来高は増加してません。
チャート分析に「株価の変動値幅と出来高の変動率の関係性」は非常に重要です。
大陽線のように株価が大きく上昇したケースは、出来高も大きく増加していなければなりませんが今回は増加が確認できません。
つまり今回の大陽線はダマしの値動きで、新の株価上昇では無いのと判断できます。
≪酒田五法を学ぶ書籍≫
[itemlink post_id=”3389″] [itemlink post_id=”3390″] [itemlink post_id=”3392″]